2016.8.16。お盆も後半。午前中に雨の降る前に散策。林芙美子の屋敷へ向かった。旅好きのイメージが強い作家だったが彼女の終の住処は壮大だった。300坪。この一帯は閑静な高級邸宅街。落合の地名の由来ともなった神田川と妙正寺川の落ち合う川岸低地よりも高台の下落合である。庭園には樹木が鬱蒼と茂りオリーブの木もあった。当時、荻窪に住む井伏鱒二が訪れて「木がないのぉ」と言われて芙美子は樹木を積極的に植樹したらしい。「殴るんならもっと殴れ」と気丈夫だった芙美子の心意気負けん気を巨大な樹木に感じた。少女時代を尾道で過ごした芙美子と隣の福山で過ごした鱒二は同じ郷里の縁でも感じたのかも知れない。
大石静脚本「家を売るオンナ」ならぬ「家を建てるオンナ」の全貌がそのまま新宿区の特殊法人によって記念館として公開されている。百聞は一見に如かず。灯台下暗し。
九の坂まである。坂数え歌
玄関
大人150円。区立は安い。
部屋の外から眺める。
順路にそって
寝間
驚くばかりの大木の群れ
山奥の中に紛れ込んだ錯覚
夜来るとさすがに面白そう
不動産デベロッパーからみれば
垂涎の物件
その昔、下落合は画家が多く住んだ。
玄関
猛壮
原稿を待つ待機場所
使用人の二段ベッド
坂の途中
富裕層の邸宅が軒を連ねる。
また来たい。