Thomas Pynchon
Slow Learner
トマス・ピンチョン「スロー・ラーナー」を読んだ。ピンチョンの自作前書きに詳しく書かれているけれど初期の諸作の自己反省は大にして作者の自己分析が記述されていて興味深い。記述の検索用に栞が二本あって*のついている箇所をいちいち見ながら読んでいると翻訳によって本来の原文のリズムが二重に損なわれてしまって悲しいけどしょうがない。でも一応文脈の区切りまで読み込んでからの方がいいだろう。熱力学的な世界やエントロピーの文学的展開やJAZZやバップといった音楽概念を文学に取り込むみたいな「春樹的」もしくは「和志的」みたいな淵源があるのかしらん。人種差別問題にしても鋭利な批判精神が脈打っている。今日的問題として尚新鮮斬新なんだろうと思う。
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