雨も上がって新宿へ。初日、待望の映画「一献の系譜」を観に行った。能登の自然。酒造り、杜氏という仕事。近代の酒法を確立した名人。技と精神、師から弟子への系譜があった。能登杜氏四天王。映画は各名人の人的系譜を追いながら、最終において宗玄の坂口幸夫杜氏の仕込みに密着。
蔵に属さない酒造りの職人である。一年の半分を酒造りに傾注する杜氏は残りの半分は農業や漁業をやっている。日本海の半島。不眠不休の映像が流れる。
「自分の酒を造る、夢やなぁ」師から受け継いだ酒法から自分の酒を造る。その夢に向かって命を懸ける。「この酒と心中するつもり」杜氏は没頭する。まさに酒に憑衣された男のリアルな言葉である。
そしてそんな鬼気迫る迫力映像を撮った映画人。映画においてその精神の系譜を映像に収めた。映像ジャーナリズムの根幹である。崇高な精神が系譜を彩る色彩豊かな一巻のエンドレスな絵巻となっていく。
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