2014年11月26日水曜日

雨の日の猫ちゃん、「2666」を読み進める


 今日は寒い。雨も寒い。こんな日には必ずやってくるコセガレ。悲しい鳴き声に胸が
キュッとなった。

 ロベルト・ボラーニョ最後の大著「2666」の犯罪の部を読み終えた。元々、5つの小説で成り立っているわけだけど、4番目「犯罪の部」は異様な残酷殺人のオンパレードで陰惨な気分になっていく。残虐な描写も淡々と簡潔にしかも膨大に多分、数十件の被害者の惨状が延々と続くのだから神経や感覚が麻痺してくる。これが魔術的レアリズムの記述なのかも知れない。驚くべき警察捜査の杜撰さ。連続殺人の背景には下請け工場と国境沿いの密入国者それに麻薬密売組織の暗躍やジャーナリズムの機能不全やいかにものラテンアメリカ社会特有の堕落があるらしいけれど。凄い小説だとつくづく思いながら最終章を読み進む。



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